「・・・何だよ、話って。」

「うん・・・」






日も大分傾いた、オレンジ色に染まった夕暮れの公園。

さっきまで遊んでいた子供もいなくなって、辺りは静まり返っている。

ベンチに座る、俺と

俺は女心なんてさっぱり分からねぇが、とりあえずいい雰囲気ってやつだろう。



だから、少し期待してたのに。





「あのね・・・」





こいつは。こいつは。





「好きな人が、できたの・・・」




思い切りブチ壊した。

















家が近所で親ぐるみの付き合いがある「幼馴染」だ。


昔は二人で遊んだりした。

よく風邪を引いてウチに来るの相手を俺がする、という形だったけど。

体調が崩れやすくてあまり外に出してもらえなかったは、俺の後をずっとくっついて回っていた。



『一護兄ちゃん』



俺と同い年なのに、俺をそう呼んでいた。







でも小学校に入学してすぐ、気恥ずかしさを感じて何となく距離を置いた。

小学校の高学年、泣き虫なが何となく鬱陶しくなった。

中学に入学してから学校を違えた殆ど会ってない。






そして中3の秋。

ゲーセンの裏通りでタカられていた女子を助けた。

それが3年ぶりの再会。



『一護兄ちゃん』



そう呼んでほっとした顔を見せるはとても綺麗になっていた。

何て声をかけていいのか分からず、とりあえず一護兄ちゃんはやめろと言った。





それから近況報告をし合って。

し合って、というよりも俺は聞かせられるようなことをしてなかったから、聞き役に回って。

すっかり健康体になって、学校のことや家族のこと、今入ってる部活のことなんかを嬉しそうに話すを見て。




俺は、その時から―――












「・・・だから、その人に・・・一護くん?」

「え、ああ・・・聞いてなかった。」

「もー、こっちは真剣に話してるのに・・・」



恥ずかしいんだよ、と仄かに頬を染めるは可愛くて。

その分、余計に憎たらしかった。





「だから・・・その人、空座高校の人なの。それで、手紙書くから一護くんに渡してほしくて・・・」

「おい、それ俺誤解されねーか?」



男に男が手紙を渡す・・・考えるだけでもおぞましい。




「下駄箱に入れておいてくれるだけでいいの・・・ちゃんと名前書いておくから・・・」





ね、お願い、と手を合わせられても。








「・・・断る。」

「えーっ、何で!?」

「自分でしろよ、そういうの。」




何が悲しくて好きな女の恋の手助けしなきゃならねえ。

悪いが俺はチャドや井上みたいに人間できてねーんだよ。





「無理だよ!だって話したこともないんだもん!」

涙目で俺に訴える




「は?」

「夏休みに友達の試合の応援に行ったときに見かけて・・・その人、友達に負けちゃったんだけどすごく強くて・・・」


ああ、一目惚れって奴か。







「すごく真っ直ぐな目をして・・・素敵だったの。」







赤く頬を染めて。






は中高一貫の私立女学園に通う成績優秀な所謂『お嬢様』。

一方俺は、喧嘩諍いその他諸々と悪評絶えない所謂『不良』。







―――もし俺が想いを伝えたら、は不幸になる。








それよりは、きっとそのスポーツマンな爽やか青年(多分)奴と一緒になった方が絶対幸せだ。

はそれなりに美人だし、フラれることはまず無いだろう。

あーあ。

俺、兄貴根性が抜けてねーな。










「・・・いいよ、やってやるよ。」

「本当!?」

「ああ、その代わり俺の前で惚気話すんじゃねーぞ。」






絶対腹立つから。

俺が人間出来るまで、名前も口にすんな。






俺が『兄貴』としてお前の隣に居れるようになるまで。










「で、名前は?」

「ええ!?ひ、秘密!」

「バーカ、聞かねえと渡せねーだろうが。」



その言葉に詰まり、観念したようには息をつく。

そして、囁くように。












「・・・さわ君。」

「あ?」

「有沢、竜貴くん・・・」




・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・



今、何つったコイツ?






「おい、俺の聞き間違えかもしれねぇからもう一回言ってくれ。」

「うん、有沢竜貴くん・・・」




え、何?

おい、じゃあ何だ?

友達が竜貴に勝った?じゃあ友達ってアレか?超正拳のゴリラなのか!?






「とっても、素敵だったの・・・」






いやいやいや、赤くなるなって!

IHで試合したってことは女じゃねーか!何だこいつ、天然か!?天然なのか!?










「ありがとう一護くん、よろしくね!」



明日手紙書いてくるからー!と言って走り去る





嗚呼、夕日が目に沁みる。






犬山さん、大変お待たせしました。
一護のキャラが何となく変わっているような気がしたりしなかったりしますが、気のせいだと思い込んでください。
それではお誕生日&1周年&30000hitおめでとうございます。もう全部過ぎてるけど。

2006/3/30
千歳京香




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うちのような凡愚の誕生日と、サイト一周年記念&30000超えを知った千歳さんが
「祝ってやらんこともないぞ」とニヒルに仰ったので(←言ってません)
お言葉に甘えて「じゃあ一護相手のドリームが欲しいずぇー!」と無茶を言ったら本当に作ってくれました!
グゥゥゥレイトォォォォウ!!!(←トニー!?)


ありがとうございます!
ありがとうございます!
うわーい、うわーい、みんな知ってたかい?




犬山は一護の幼馴染で、お嬢様学校に通ってて、病弱なんだぜ!




マジで、これマジで。
しかも、たつきに恋しちゃったの。フォーリンラブなの。
このドリームでは分からないけど、数日後には一護と結ばれる運命なの。
たつきが女子だって知って落ち込んでる犬山に、真っ赤になりながら一護が告ってくれるの。
マジだから。うちにはこの先の展開が読めてるから。先見の明ってやつがバリバリ働いてるから。


先見の明っていう名の妄想だけど。



でもでも!本当にありがとうございました!千歳さん!
サイトでは一護を扱ってないのに無茶言ってすいません。
いい夢見させてもらいました!





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